中島千波『春日和』リトグラフ
■春日和 京都、東山の高台寺の枝垂桜を描いた作品。 高台寺は北政所が夫の豊臣秀吉の菩提を弔うため、 1605年に創建した臨済宗の寺である。 江戸時代から桜の名所としても知られ、早くも年中行事 解説書『日次紀事』の『有桜花処』の項でその名が見え、 また『花洛再見図』や『都名所図絵』でも挿絵中に桜樹が 描かれている。 現在でも春のシーズンにはライトアップがされるなどし、 枝垂桜が見る人の心をひきつけている。 ここでは、画面の右側に桜の木を置き、根元から二股に 分かれた幹から四方八方に枝が伸び、満開の桜花が 画面全体を埋め尽くすように咲き誇っている。 花弁や散り落ちる花弁だけでなく、雌しべ、蕾や萼、 葉までが丁寧に描き出されている。 幹や枝には墨を用いて巧みに濃淡をつけ、滲みの手法で 質感をあらわしている。 さらに枝や花弁に濃淡をつけて諧調をだすことによって、 桜樹全体のヴォリュームや奥行感を得ている。 華やかさ、静けさだけでなく、どことなく妖艶さを感じさせる 空間を現出した作品である。 濱中真治氏(山種美術館学芸員)による本作解説書より抜粋 ■中島千波 なかじまちなみ 1945 長野県に生まれる 1969 東京芸術大学日本画科卒業 再興第54回院展に初出品・初入選 1979 山種美術館賞展・優秀賞受賞 1984 横の会結成に参加 1987 NHK『今日の料理』の表紙絵を担当する(3年間) 1992 長野県に『おぶせミュージアム・中島千波館』がオープン 1999 『春日和』制作 2000 東京芸術大学教授に就任 2013 東京芸術大学を退任 個展をはじめ精力的に活躍中 作家名 中島千波 題 名 春日和 技 法 リトグラフ 用 紙 ベランアルシュ 版・色数 32版32色 工 房 プリントハウスオーエム 限 定 200部(落款・サイン・番号入り) ※商品画像の限定部数番号は見本です 画面の寸法 天地:41.0×左右:53.0cm 額縁の外寸法 天地:64.0×左右:75.5cm 額縁の仕様 特製木製額金泥仕上げ 裏面に壁吊り用金具・ひも 付属 黄袋・タトウ箱 額縁の窓 アクリル 重 量 約3.8kg 制作発行 共同印刷株式会社 こちらの作品はお届けまでに、3〜7日間ほどお時間をいただきます。 お急ぎの場合は、お問い合わせくださいませ。